何故シン・ゴジラはここまで大ヒットしたのか。その以外な理由とは?

ゴジラ部です。

今月放送される「シン・ゴジラ」についての考察です。

「シン・ゴジラ」がヒットした理由は何だったんでしょうか。

様々な理由が考えられますが、ここで一つ思いついた理由があるので、お話していきます。

※シン・ゴジラについてネタバレが含まれますので、ご注意ください。

シン・ゴジラの画期的な発明とは

シン・ゴジラで何が良かったかと言うと「ゴジラ」の呼称を「巨大不明生物」にしたという点です。

これは、素晴らしいアイデアだと考えています。

これまで何故ゴジラは子どもかマニアックな大人しか観に来ていませんでした。

何故なら、「ゴジラ」という呼称があまりにも一般化しすぎてしまい、ある意味「ギャグ」となってしまったからです。

キャッチー過ぎる音楽や俳優さんが「登場しただけ」で、笑いとなってしまう現象と同じです。

この名曲なんかも、曲が良すぎる為にゴジラと同じような現象となっています。

つまり、これまでのゴジラ作品ではどんなにゴジラを恐ろしく描こうが「ゴジラ」と呼ばれるだけで、リアリティを感じられなくなり、怖さがなくなってしまっていたのです。

それが「シン・ゴジラ」では「巨大不明生物」という呼称を使い、巧みに「ゴジラ」の恐怖を感じされることに成功しました。

この呼称は、官僚に取材を行っていた際に生まれたと言われています。

偶然出来上がったものですが、この呼称がどれだけ素晴らしい発明かを説明していきます。

それまでのゴジラ映画

「シン・ゴジラ」以前のゴジラ映画では当たり前のように「ゴジラ」と呼ばれていました。

その呼称は「初代ゴジラ」~「モスラ対ゴジラ」くらいまでは、怖いものとして感じられていたかもしれませんが、それ以降のゴジラ映画ではゴジラは正義の味方となってしまいました。

こうなると「ゴジラ1984」の時のように再び恐ろしいゴジラを作ろうとしても、そもそも「ゴジラ」と聞くとリアリティを感じられないのですから、他のモンスター映画と比べると大きなマイナスポイントとなってしまいます。

それでも平成ゴジラ以降、何とかリアリティを感じられるようにと工夫がされていきます。

ゴジラVSビオランテで行った名称

「ゴジラVSビオランテ」でハッキリと使用された呼称が「G」です。

確かに「ゴジラ」と表記されるよりは、当時はリアリティを感じられるものとなったかもしれません。

しかし、あくまでアルファベットの頭文字をとっただけなので、どうしても子どもっぽく感じてしまいます。

ゴキブリを連想してしまう人もいるかもしれません。

それでも、ミレニアムシリーズとなってもこの呼称から離れられないくらい、新しいものを作るのは難しかったと考えられます。

そして2016年に復活したゴジラはついに…!

シン・ゴジラでの画期的な名称

ゴジラはついにその恐ろしい響きを取り戻します。

「巨大不明生物」という不安定であり、文字だけでも感じられるグロテスクな表現によって。

「ゴジラ」という呼称のイメージがすでに「安心感」「安定」「親近感」という雰囲気がある以上、これのイメージをなくすためにも「思いっきりおぞましいイメージ」を植え付けるしかありません。

それに耐えうることができたのが「巨大不明生物」という呼称だったと考えます。

「シン・ゴジラ」の劇中の前半は徹底してこの呼称で統一されています。

これによってこれまで「ギャグ」にもなってしまう「ゴジラ」を、リアリティを感じられるモンスターとして改めて認知させることに成功しました。

何回も言いたいですが、「巨大不明生物」という呼称は本当に素晴らしい発明です。

「シン・ゴジラ」を観る際には、そういったことを踏まえながら観るのもたのしいかもしれないです。

とにかくこれは素晴らしい発明!

この発明は、「ゴジラ映画」という安心感を得ながら「巨大不明生物」という言葉によって受ける「気持ち悪さ」のバランスによって本来ならリアルとは程遠い「ゴジラ」という存在をリアルな「恐怖」に据えることに成功しました。

この呼称は(少なくとも日本国内では)今後同じような呼称をゴジラにするくらいしかリアリティラインを超すのは難しいと考えます。

それくらい「巨大不明生物」という呼称は日本国内でのゴジラ映画を復活させるために欠かすことのなかった言葉の発明と言えます。

「ゴジラ」という名称がここまで映画スター(それどころか近しいアイドルと言っても良いくらい)身近なものになっているからには、「怖いゴジラ映画」を作るには「ゴジラ」という呼称を極力少なくするしかありません。

これも結局は「ゴジラ」が有名過ぎる為ではあるのですが…

まとめ

今回は「シン・ゴジラ」がヒットした理由の一つである「ゴジラの呼称」についてお話しました。

今後もゴジラ映画は制作されていきますが、どのような呼称とするのか制作者もとても難しい問題だと考えています。

2014年に公開された「GODZILLA」では、渡辺謙氏はあえて日本語の発音で「ゴジラ」と呼んでいました。

ハリウッド版ゴジラでは、どのような呼称となっていくのか、今から目が離せませんね。